記憶の中のシベリア
久保田桂子
- 出版年月
- 2017年8月
- ISBN
- 978-4-7734-2028-9
- 判型・ページ数
- 四六版・306ページ
- 定価
- 本体2,200円+税
- 在庫
- あり
本の内容
私と同じ年の頃、祖父は捕虜だった
戦争とシベリア抑留の現実を等身大に知りたい−−自分の家族からはじまった取材は海を渡った。兵士たちの肉声を聞くことは、消えゆく記憶を自分の中に生かし続けることだった。
シベリア抑留体験者を取材したドキュメンタリー作品『祖父の日記帳と私のビデオノート』(2013年)、『海へ 朴さんの手紙』(2016年)を制作した久保田桂子監督が、10年以上にわたった取材の旅を綴る。
■シベリア抑留とは?
第二次世界大戦後、満州(中国東北部)、朝鮮半島、樺太、千島などにいた軍人・民間人(朝鮮半島・台湾出身者を含む)がソ連に連行され、労働につかされた出来事。 抑留者の総数約60万人、うち死亡者は約6万人といわれるが、詳細は明らかでない。
森林伐採、炭鉱労働、鉄道建設等の極寒の中での過酷な労働、劣悪な食糧事情により、多くの人が亡くなった。旧軍の階級をめぐる、またソ連の思想指導を受けた「民主運動」による日本人同士の争いも起こり、生き残った人々の心にも傷を残した。
2017年現在、生還した抑留者の平均年齢はとうに90歳を越えている。
目次
第1部 果樹園の見える部屋
第2部 韓国への旅
第3部 朴さんの手紙