ロマノフの消えた金塊
上杉一紀
- 出版年月
- 2019年12月
- ISBN
- 978-4-7734-2035-7
- 判型・ページ数
- 四六判・288ページ
- 定価
- 本体2,200円+税
- 在庫
- あり
本の内容
時はちょうど今から100年前。ロシア革命により、ロシアは赤軍と白軍があらそう内戦状態に。その中で、500トンという途方もない量の金塊が、シベリア鉄道を東へと漂流を始めた。
おりしも、「シベリア出兵」により数万の兵をロシア極東・シベリアに派遣していた日本は、権謀術数うずまく金塊の運命に、深くかかわっていくことになる――。
今なお、伝説を生み続ける「ロマノフ財宝」の行方を〝証拠主義〟に徹して究明した決定版!
目次
はじめに
プロローグ
第一章 時代
一.第一次大戦の勃発
二.せめぎあう列強の思惑
三.大戦下の日本とロシア
四.ふたつのロシア革命
五.ロシア国内戦へ
六.内戦のカオス
七.チェコスロヴァキア軍団……シベリアの暴発
八.内戦干渉はじまる
九.『浦潮日報』という物見やぐら
一〇.円経済圏拡大の野望と植民地中央銀行の座
一一.シベリアにおける朝鮮銀行
第二章 シベリア金塊の正体
一.五〇〇トンの黄金
二.全ロシア臨時政府
三.流転の提督
四.コルチャーク独裁政権の誕生
五.アタマン・セミョーノフ
六.イルクーツク遷都の実状
七.溶けゆく金塊
八.コルチャークの下野宣言
九.イルクーツクの金塊列車
一〇.鈴木荘六中将の陣中日記より
一一.金塊追跡の大義名分
第三章 金塊、逃げる
一.二隻の砕氷船
二.尼港事件
三.パルチザンの蛮行と新聞報道
四.セミョーノフの金塊(一)……窰門・寛城子危機の顛末
五.セミョーノフの金塊(二)……民間人の影
六.セミョーノフの金塊(三)……大阪へ
七.「黄金都市」と化すハルビン
八.ハルビン以外の流れ
九.極東共和国の成立とセミョーノフ軍の解散
一〇.ペトロフの金塊……食い違う証言
一一.訴訟陰謀説
一二.カルムイコフの金塊……露呈した不法保管
第四章 波高き日露のはざまで
一.原敬暗殺
二.日本の対ロシア債権
三.ポチャーギンの金塊……日露の損得勘定
四.「ローザノフの金塊」?
五.白軍敗走
六.その後のセミョーノフ……幻視のなかの蒙古統一
第五章 地下水脈
一.田中義一の軍事機密費着服疑惑
二.歩兵第五九連隊の金塊と「宇都宮の怪火」
三.未届け〝戦利品〟の行方
四.金塊疑惑追及の終焉
五.セミョーノフの最期
六.流出の総決算(一)……モスクワへの還流
七.流出の総決算(二)……パリに続く道
エピローグ
おわりに
参考文献
さくいん