バレエ王国ロシアへの道
村山久美子
- 出版年月
- 2022年3月
- ISBN
- 978-4-7734-2046-3
- 判型・ページ数
- A5判・316ページ
- 定価
- 本体2,600円+税
- 在庫
- あり
本の内容
世界を虜にする魅力の秘密とは――。
綺羅星のごとく名作・名演を生んできたロシアのバレエは、天才たち、改革者たちの仕事が積み重なった深い森だ。時代を大きく変えた飛躍だけが、そこにあったのではない。表には見えない無数の歩みもが、王国を創り上げた。
ロシア・バレエ再発見の書!
目次
はじめに
第一章 バレエ王国への出発
Ⅰ ロシアでのバレエ上演の始まりとバレエ学校の創立
Ⅱ 一八世紀のバレエ改革
Ⅲ ノヴェールの理論
Ⅳ ロシア・バレエの基盤作り
Ⅴ ロシアで創作された最初のバレエ
Ⅵ ノヴェールの宿敵ガスパロ・アンジョリーニ
Ⅶ その他の指導者たち
第二章 ロマン主義バレエの萌芽――シャルル=ルイ・ディドロ
Ⅰ バレエにおけるプレ・ロマン主義
Ⅱ ディドロの創作初期――〝形式〟の発展
Ⅲ 第二期の創作――〝内容〟の探索
第三章 バレエに魅せられたプーシキン
Ⅰ 作品に表現されたバレエへの愛
Ⅱ プーシキンの素描から
Ⅲ 「バレエマニア」の形成
Ⅳ 物語詩『ルスラーンとリュドミーラ』に見られるバレエの影響
第四章 農奴劇場とバレエ
Ⅰ 農奴劇場の典型
Ⅱ 農奴劇場の多様性
第五章 古典作品の誕生――マリウス・プティパ
Ⅰ ロシアに来るまでのプティパ
Ⅱ 『眠れる森の美女』以前――『バヤデルカ』ほか
Ⅲ 最高傑作『眠れる森の美女』
Ⅳ 『白鳥の湖』
Ⅴ 最後の傑作『ライモンダ』
Ⅵ 一九世紀バレエの体現者
第六章 革新の前ぶれ――アレクサンドル・ゴールスキー
Ⅰ 忘れられた先行者
Ⅱ モスクワでの活動開始
Ⅲ プティパへの反逆――『ドン・キホーテ』ほか
Ⅳ ロシア革命期のゴールスキー
Ⅴ リアリズム演劇の手法による古典の改変
Ⅵ ダンスシンフォニー
第七章 二〇世紀バレエの扉を開けた振付家ミハイル・フォーキン
Ⅰ フォーキン以前のバレエ
Ⅱ 「芸術世界」派との出会い
Ⅲ 二つの『ショパニアーナ』
Ⅳ 『瀕死の白鳥』とシンボリズムの詩
第八章 プティパからフォーキンヘ――その新しさとは
Ⅰ バレエ・リュスでのフォーキンのバレエの新しさ
Ⅱ フォーキンとプティパの演出振付の相違
第九章 革命後のモダン・ダンスの波――ニコライ・フォレッゲルの芸術
Ⅰ 新しい演劇の探索
Ⅱ マストフォル
Ⅲ 『馬との友好関係』の成功
Ⅳ メカニック・ダンスと機械ダンス
Ⅴ フォレッゲルの作品の消滅とその後のロシア舞踊界の進路
第一〇章 カシヤーン・ゴレイゾフスキーのアヴァンギャルド・バレエ『美しきヨセフ』、『竜巻』
Ⅰ ゴレイゾフスキーの主な活動
Ⅱ アヴァンギャルド・バレエの代表作『美しきヨセフ』
Ⅲ 『竜巻』
Ⅳ 現在からの評価
第一一章 フョードル・ロプホーフのダンスシンフォニー『宇宙の偉大さ』、新版『くるみ割り人形』
Ⅰ ダンスシンフォニー『宇宙の偉大さ』の構想
Ⅱ ロプホーフが創始したジャンル「ダンスシンフォニー」
Ⅲ ロプホーフのユートピア
Ⅳ 復元されたダンスシンフォニー
Ⅴ 『くるみ割り人形』の新演出
Ⅵ 現在からの評価と後世への影響
第一二章 ユーリー・グリゴローヴィチの「シンフォニック・ドラマ・バレエ」
Ⅰ 「ドラマ・バレエ」の一ジャンル「ホレオドラマ」の確立
Ⅱ グリゴローヴィチの経歴
Ⅲ グリゴローヴィチの創作について
Ⅳ 代表作『スパルタクス』
第一三章 ロシア・モダン・バレエの旗手エイフマン
Ⅰ 振付家ボリース・エイフマンとそのバレエ団について
Ⅱ エイフマン・バレエの結成経緯
Ⅲ エイフマンの創作とロシアの舞台芸術の伝統について
Ⅳ 『アンナ・カレーニナ』
おわりに
参考資料
さくいん