同胞リトアニアのホロコースト 伏せられた歴史
ルータ・ヴァナガイテ/エフライム・ズロフ(著)
重松尚(訳)
- 出版年月
- 2022年4月
- ISBN
- 978-4-7734-2047-0
- 判型・ページ数
- 46判・472ページ
- 定価
- 本体3,000円+税
- 在庫
- あり
本の内容
ナチ・ドイツ占領下のリトアニアで、20万人のユダヤ人が殺害された。実際に手を下したのが、占領軍ではなく、現地のリトアニア人であったことは、リトアニア社会で長らく直視されずに来た。「自国民の罪」を告発し、激しい論争を引き起こした問題の書。
ホロコーストにおけるリトアニア自身の罪をえぐりだした本書は、本国リトアニアでベストセラーとなったが、賛否両論を巻き起こし、最後には国内での販売停止、脅迫を受けた著者の国外退避という事態にいたった。ここに、我々日本の読者も歴史修正主義をめぐる教訓を見出すことができる。
目次
第1部 闇への旅
第1章 「またユダヤ人の話?」
すべての始まり
私の親戚は犠牲者だったはず
「ユダヤ人になる」
ユダヤ人とは
敵との対面
私たちは自分たちの歴史に責任があるのか
第2章 私たちの同胞——目撃した子どもたち
ライモナス・ノレイカ
ユリュス・シュムルクシュティース
アンタナス・クミエリャウスカス
マルツェリユス・マルティナイティス
第3章 私たちの同胞——政治家たち
リトアニア人行動主義戦線
リトアニア臨時政府
評議会顧問
第4章 私たちの同胞——ユダヤ殺し
民族労働防衛大隊
歯科技工士
飛翔部隊の殺人者たち
特別部隊の兵士たち
ポナリ——証言者たちの人物像
生徒の人物像
郵便配達員の人物像
三〇年後——殺人者の夢
殺された人たちの人物像
地獄で燃え尽きず——焼却した人たちの証言
特別部隊に入隊した人たちの運命
人を殺しに派兵された兵士たち
人の顔をした殺人者たち
第5章 得をしたリトアニア
第6章 私たちの同胞——救った人たち
第7章 現在の視点から——歴史家へのインタビュー
第1部あとがき
第2部 敵との旅
エフライム・ズロフ——私の人生におけるリトアニア
ミッションは可能【ポッシブル】か——出発前の対話
旅
リンクメニース/リングミャン
シュヴェンチョニース/スヴェンツャン
カヴァルスカス/コヴァルスク
ウクメルゲ/ヴィルコミル
シェドゥヴァ/シャデヴェ
テルシェイ/テルズ
プルンゲ/プルンギャン
プラテレイ/プロテル
タウラゲ/タヴリグ
ブトリモニース/ブトリマンツ
パネヴェジース/ポネヴェジュ
カウナス/コヴネ
ヴィルニュス/ヴィルネ
ベラルーシ(バルタルシヤ/ベロルス)
敵との別れ——空港へ
エピローグ——神はどこにいる
トマス・シェルナスとの対話
リチャルダス・ドヴェイカ司祭との対話
リトアニアとホロコースト(エフライム・ズロフ)
訳者解説(重松尚)
出典
索引