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女たちの独ソ戦彼女たちはなぜ戦場へ行ったか

女たちの独ソ戦_書影_帯つき

ロジャー・D・マークウィック/ユーリディス・シャロン・カルドナ(著)
五十嵐徳子・河本和子・藤原克美(訳)

出版年月
2023年7月
ISBN
978-4-7734-2049-4
判型・ページ数
46判・548ページ
定価
本体4,000円+税
在庫
なし

本の内容

これが「女の顔をした戦争」だ。
第二次世界大戦時、数十万のソ連女性が戦場に赴いた。その規模と戦闘への直接参加の点で、他の国に例がない。地獄の戦場で彼女らは何を見たか。
狙撃手、飛行士、防空要員、衛生兵、そしてパルチザン。「絶滅戦争」を掲げるナチスだけではない。男性同胞からの蔑視、ソ連指導部の恣意によって、女性たちの心身は何重にも引き裂かれた。アレクシエーヴィチが描いた女性たちの知られざる側面を掘り下げる。
さらに、なぜソ連女性だけが、これほど大規模に兵士となったのか、の疑問にも迫る。そこには、革命の娘たる女性たちの、戦間期にさかのぼる特異な人間形成があった。

目次

第一章 フロントヴィチカはいかに生み出されたか
 教育への情熱
 コムソモール・メンタリティ
 オソアヴィアヒム
 指揮官の妻たち
 ヒロインとヒーロー
『鋼鉄はいかに鍛えられたか』
 内戦の遺産
「新しいタイプ」の女性
 ヒロイン崇拝の終わり

第二章 「女の仕事ではない」――志願兵
「銃後へ!」
 民間防衛と対空防衛
 労働戦線
 秘密訓練
 大量動員
 戦火の洗礼
 最初の女性狙撃手たち

第三章 慈悲の姉妹たち――看護師
 経験に欠けた新人たち
 闘争的な女性らしさ
 犠牲者
 医療大隊の姉妹たち
 戦う野戦看護師
 戦争を消毒する
 復讐の前線
 男性を文明化する
「禁じられた」関係
 スターリングラードの地獄絵図

第四章 「ハヤブサ」と「魔女」――飛行士たち
 連隊の編成
 ヴィドヴィジェンカ(抜擢された女性)たち
 内戦の娘たち
 軍隊の規律
 実践
「女性たちの世界」
 前線の交情
 コムソモール「家族」
 母親たる政治指導員
 娯楽と社会生活
 偶像の死
「小さいハヤブサ」の死
 輝かしい幸福
 最後の攻勢

第五章 敵の背後で――パルチザン
「ジャンヌ・ダルク」
 破壊工作員、斥候、スパイ
 女性地下活動家
 暗殺
 全人民の戦争
 コムソモール・ネットワーク
 医療要員、無線通信要員
 セクシュアル・ハラスメント
 アファーマティヴ・アクション
 占領下の女性たち

第六章 大量動員
 秘密動員
 他国の軍の女性
 ボリシェヴィキ女性狙撃兵
 防空軍
 阻塞気球
 絶望的な状況
 海軍への登用
「私は優れている…」
 社会的・政治的問題
 政治プロパガンダ
 海軍への第二回募兵
 母親たちの動員
「第二の前線」への登用
「優雅で文化的なサービス」
 女性将校たち

第七章 女性義勇狙撃旅団
 募兵
 生活状況
 前線への「脱走」
 脱走と懲罰
 自殺
 ジェンダー関係
 性的関係
 裏切られた愛国心

第八章 狙撃兵運動
 有名人としてのスナイパー
 狙撃兵学校
 若い女性狙撃兵の回想
 狙撃兵になる
 最前線
 ヒトラー主義者狩り
 攻勢に出る
 ゴート人の戦場
 禁断の関係

第九章 エピローグ――半ば忘れ去られた人々
 女性障がい者
 移動式野戦妻
 戦争捕虜
 拭い去れない汚名
 忘却と追憶